【#009】ケニーさん

FJTA会員紹介リレー、第9回の紹介は ケニーさんです。
それではよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

早速、質問させていただきます。
タンゴ歴は何年ですか?

13年です。

タンゴを始めたきっかけは何ですか?

パリ在住中に、野外ミロンガを見て、その景色に魅了されて始めました。

パリに住んでいたことがあるんですね!
パリにもたくさんのミロンガがあるようですね。私もいつか行ってみたいです。

現在、タンゴについてどのような活動をされていますか?

NPO法人 日本タンゴセラピー協会の理事として、全国のボランティアの皆さんと一緒にOnlineで介護施設のご利用者の皆様とタンゴセラピーを行っています。

おー、タンゴセラピーも今はOnlineでされているのですね。工夫して続けられているのは素晴らしいことですね。

もう一つ。コロナ前までは、月に1〜2回定期開催のミロンガでDJをさせていただいてましたが、コロナ禍ではそのミロンガが休止となっていたため、せめてタンゴ愛好者の方がミロンガの雰囲気を忘れないようにと会議アプリのZoomを使い、全国のDJや演奏家、ダンサーの方に協力していただき、オンラインミロンガという形でタンゴの曲を聴くイベントを継続しています。
今までは、ミロンガに行っても選曲のことよりも踊る方に気がいってしまっていたのですが、このオンラインミロンガで、さまざまなDJの方の選曲を聴いて、大変勉強させていただいています。ちなみにタンゴやチャカレラのミニレッスンコーナーもあり、曲を聴くだけでなく身体を動かすこともできます^_^
コロナも少しずつ落ち着いて来ましたので、最近はDJ活動も再開し始めています。

ミロンガをオンラインでするという発想自体がすごいと思いますし、それを実現されていることが驚きです。固定観念をなくせば何でもできるんだなぁと…

タンゴにおける得意分野は何ですか?

アブラッソです。誰と踊る時も心を込めてます。

心のこもったアブラッソ、いいですね。タンゴのエッセンスだと思います。

話題を少し変えて、好きなオルケスタを教えてください。難しいと思いますが、3つまででお願いします。

Francisco Canaro …懐かしい
Lucio De Mare …ストレートな悲しみ
Ángel D’Agostino …日常的

それぞれのオルケスタを表現する言葉がおもしろいですね!
Ángel D’Agostino が「日常的」というのはわかるようなわからないような感じがするのですが(笑)、もう少し詳しく言うならばどういう感じの「日常的」でしょうか?

タンゴの曲は、男の失恋の曲が多く、女性への想いや振られた嘆きを表現する歌詞がよく出てくることは知っていたのですが、ある時レッスンを受ける中で、Ángel D’Agostino の曲について、彼の曲は日常的な事を歌ってるものが多いと聞きまして、それ以来、彼の楽団の曲を聞くときは、「あ〜、今日もこんな一日だったなあ」というような、自分自身の日々の生活を振り返るような気持ちで曲を聴いて踊っています。

なるほど、そういう意味だったのですね。切なくて美しいメロディも日常に潜んでいるのかもしれないですね。

好きなタンゴの曲を教えてください。

Cogote – Francisco Canaro
Solamente Ella – Lucio De Mare
Fantasía en tiempo de tango – Osmar Maderna

ケニーさんの個性が感じられる選曲ですね!
『Fantasía en tiempo de tango』はチャルダッシュがモチーフですよね。

好きなワルツの曲を教えてください。

Pedacito de Cielo – Anibal Troilo
Romance de Barrio – Anibal Troilo
Ilusión Azul – Alfredo de Angelis

どれも素敵なワルツですね!

好きなミロンガの曲を教えてください。

Sacale Punta – Edgardo Donato
Milonga Sentimental – Francisco Canaro
Milongon – Francisco Canaro

踊りたくなりますね(笑)

尊敬するタンゴダンサーを教えてください。

GYU先生です。

すごい、KaQさんもGYUさんを挙げていましたね。
弟子に尊敬され続けるのは、当たり前のようで実はなかなか難しいことなのではないかと思います。

ケニーさんにとってタンゴの魅力は何ですか?

良くも悪くも人と深くつながり、良い思いもすれば嫌な思いもする。
言葉や世代、文化や宗教の壁を超えて全ての人が心からコミュニケーションできることだと思います。

たしかに。そういう意味では一緒に踊ることは人間にとって根源的なものなんでしょうね。

ケニーさんにとってタンゴとは何ですか?

世界平和へのアイデアです。

おもしろい発想ですね!
さきほどの言葉や世代、文化や宗教の壁を超えて…という話が世界平和につながるという理解であっていますか?

はい。もう少しわかりやすくいうと、私たちの生活の中にはたくさんのコミュニティーがあり、その中の平和が集まって、大きな平和を作ると思っています。タンゴ(ミロンガ)のコミュニティーは、心と身体でのコミュニケーションや、シニアへのリスペクト、お互いへのマナーが揃っているだけでなく、ダンスパーティーのように必ずしも踊れなくても、その場の雰囲気を楽しんだり、人に会うために来ることができ、一日の生活を豊かにする要素が詰まっています。このミロンガが、全国どこの地域でも開催されていると思ったら、平和な気がしませんか?

おー、そんな気がしてきました!
なるほどー、「世界平和へのアイデア」に合点がいきました。

タンゴを踊っていて良かったなと思うことは何ですか?

コロナ禍で人と人の距離が必要とされている時に、アブラッソの温かさを思い出す事ができること、そしてまたタンゴを踊りたいという気持ちが心の中にいつも宿っていること、そして、きっと同じようにタンゴ仲間も思っていると確信できることです。

なるほど、コロナ禍でもタンゴが心を補ってくれているわけですね。
そういう感覚はタンゴを踊ったことのある人が感じられる特別なものかもしれないですね。

タンゴを踊る上で大切だと思うことは何ですか?

踊っている最中に、相手、音楽、会場を全身で感じてお互いに伝え合うことです。

うーん、さきほどのアブラッソの話もそうですが、何というか惜しみない愛を感じます(笑)

笑…愛はありますが、タンゴ愛で危なく最大の失敗をしてしまいそうになったこともあります。ギリギリのところで助かりましたが。

えー、何があったんですか?

先程のタンゴとは何か?の質問の答えの中でもあった、世界平和へのアイデアという意識が私がタンゴを始めるきっかけでもあったのですが、実際にタンゴに夢中になっていると、終電で帰ることも多く、妻とはかなりのすれ違いの生活になってしまっていました。そんな時に妻から言われた言葉が、『自分の1番近くの相手と平和になれなくて世界が平和になんてなるわけがない』という言葉で、崖から落とされたような気持ちになったと同時に、それからの私のタンゴとの向き合い方が変わりました。
そして、おかげさまで今もタンゴを続けながら家庭も平和になっています^_^

今は笑って話せるのだと思いますが、そのときは大変だったんでしょうね…
でも、そこで向き合い方を変えるケニーさんは素敵ですね。トップ画像のお二人の写真もとても素敵です。

今日は、ケニーさんの思想やプライベートなエピソードまで聞けておもしろかったです。ありがとうございました。

紹介リレーのバトンを渡す方はどなたにしますか?

スタジオ タンゲーラ時代に大変お世話になったヒロキさんにお願いします!

吉田ヒロキさんですね。わかりました、依頼してみます。
どうもありがとうございました。


ケニーさんの情報

NPO法人 日本タンゴセラピー協会

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