【#010】吉田ヒロキさん

FJTA会員紹介リレー、第10回の紹介は 吉田ヒロキさんです。

タンゲーロくん、どーもー!

あっ、どうもよろしくお願いします。
とてもエネルギッシュで快活な感じですね。

よろしくお願いしまーす!

それでは早速、質問させていただきます。
タンゴ歴は何年ですか?

はい、14年弱です。

タンゴを始めたきっかけは何ですか?

私がタンゴに出会って始めたきっかけなんですが、少し変わったいきさつでして、女優の杉本彩さんとの出会いに始まります。
あの方とお会いしていなければ、おそらく今現在タンゴをやっていないと思います。

えーっ、すごい始まり方ですね!
ぜひ詳しく聞かせてください。

今でもその時のことを鮮明に覚えていますが、今から14年前、当時私が住んでいた桜新町の行きつけのフレンチ居酒屋のマスターから「どうしても会わせたい人が来てるからすぐに店に来て欲しい」と連絡があり行ってみるとそこに杉本彩さんがいらっしゃっていてびっくり!?

彩さん曰く「お店のアルバムの写真に写っていた貴方を見て、このラテン系の男性とぜひ会いたいとマスターに話したら呼んでくれたんです」との事でした。

おー、杉本彩さんからのアクションだったのがさらに驚きです。

それから2時間ほどシャンパンをご一緒していましたら彩さんから突然「吉田さんタンゴやりませんか?」とお誘いを受け、彼女が主催するレッスン会に明後日から来てほしいとの事。

タンゴやペアダンスを全く知らない私:「タンゴって??? あ、オーレィッ!ってやつですか?」
彩さん:「それはフラメンコです笑」
私:「僕になんかできますかね~?」
彩さん:「大丈夫!あなたラテン系だから!」

…とかなり強引な(笑)タンゴナンパを受け、結局2日後のレッスン会に行く羽目に^^;
そして、そこで講師を担当していたシンゴ&アスカ先生に習い始めることになったわけです。

おもしろいですねー!そんなドラマみたいなことが起きるんですね。
私的には、杉本彩さんが主張する大丈夫である理由がツボです(笑)

現在、タンゴについてどのような活動をされていますか?

札幌に移転してから4年近く経ちます。
FJTAの北海道支部長として、北海道のタンゴファンの皆さんがタンゴをより楽しめるように、またタンゴファンをもっと増やしていくために、札幌を拠点として数ヶ所開催されるミロンガなどのタンゴシーンへの応援と、ミロンガ、レッスン、プラクティカなどの自主開催を含め、北海道のタンゴ普及活動をしています。

また、東京にいる時にJoe先生と活動していたタンゴボランティア活動をこの札幌でも続けた流れで、3年前からNPO法人日本タンゴセラピーの一員としての活動(今は休止中ですが)を行ってきました。

なるほど、札幌を拠点にタンゴを盛り上げる活動をされているのですね!
札幌のタンゴ、いいですね。市外の人は旅行を兼ねてタンゴを楽しめますね。

タンゴにおける得意分野は何ですか?

得意といえるかどうかは分かりませんが、その曲をどう聴いてどう伝えていくかというミュージカリティ分野は自分では得意な方かと思っています。

どう聴いてどう伝えていくか、大事なことだと思います。

好きなオルケスタを教えてください。

Osvaldo Pugliese
Carlos Di Sarli
Astor Piazzolla

僕はDJの方のように詳しくはないのですが、Pugliese楽団の楽曲は凄く情熱的でショーで踊るときに気持ちが入ります。

わかります! 私はラテン系ではないのですが、Osvaldo Pugliese を聴いていると、情熱が湧き上がってきます(笑)

好きなタンゴの曲を教えてください。

Recuerdo ~ Osvaldo Pugliese
Gallo Ciego ~ Osvaldo Pugliese
Tzigane Tango ~ Astor Piazzolla

プグリエーセで好きな曲はまだまだあります。
ピアソラの楽曲は革新的な独創性で、聴くだけで心が踊りだすゾクゾク感満載です!
もちろんピアソラで踊るのも大好きです^^
ちなみに Oblivion や Libertango もむちゃくちゃ好きです。

言うまでもなく、ピアソラいいですよね。
Tzigane Tango はタンゴファンでなくても「素敵ー!」となるのではと個人的に思っています。

好きなワルツ、ミロンガの曲を教えてください。

Lagrimas y Sonrisas ~ Juan D’Arienzo
Lagrimitas De Mi Corazón ~ Anibal Troilo
La Milonga De Buenos Aires ~ Francisco Canaro

ワルツは楽しいのに切ないのが不思議ですよね。

尊敬するタンゴダンサーを教えてください。

はい!桑原和美先生です!
タンゴを始めて9年目くらいでしょうか、和美さんに「私で良ければ組んでいただけませんか?」と非常に謙虚で真摯なオファーを受け、札幌に移転するまでの2年くらいの間、いろいろな場所でステージで、彼女が目指す大人タンゴのステージに立たせていただきました。
その中で、言葉は発せずとも和美先生から伝わってくるタンゴへのリスペクト、情熱、想い、それらを深い角度で学ばせていただいたと思っています。
ショーでは私自身のたくさんの失敗もありましたが、毎回和美先生は常に自分の反省しかしない…その姿と人間性、タンゴに取り組む姿勢に本当に敬意を感じつつ、深く学びを得ました。

うーん、「常に自分の反省しかしない」というのは驚きですね。なかなかできることではないと思います。
桑原和美さんのもとでタンゴを始めたダンサーも多くいますよね。

男性のマエストロダンサーとして尊敬している方は、
Juan Carlos Copes
Carlos Gavito
この方々の独創的なダンススタイルは凄く自分のダンススタイルにも影響がありますし、後年のタンゴダンサーに大きな影響を与えたと何度映像を見ても深く感じます。

間違いなく歴史に名を残すダンサーですね。

ヒロキさんにとってタンゴの魅力は何ですか?

言葉を交わさずとも、そしてどんな社会的な立場や年齢も関係なくお互いを伝え合うことが出来るのが最大の魅力だと思います。
余計な事は知らなくてもタンゴを踊ればお互い”その人の素が分かる”といいますか…

かなり前に確かGYU先生から伺ったのですが、「タンゴが踊れるようになる事、それは世界中どこの国に行ってもその国の言葉を話せなくとも心を通わせることが出来るパスポートを手に入れたようなもの」だと。本当にそう思います。
今もタンゴに興味を持っていただくためのセールストークに引用させていただいています(マジです^^)

そしてなんと言ってもやはり!、1曲、そして1タンダの中で、そのお相手としか成し得ない筋書きのないドラマを生み出せるその嬉しさや楽しさ…もう最高ですよね!^^

そうなんですよね、人間って基本的には心を通わせたい生き物なんですよね。タンゴを踊れるとたしかに世界が広がりますね。

ヒロキさんにとってタンゴとは何ですか?

大げさな言い方かもしれませんが、自分にとっては間違いなく生きる情熱の源、生きている証、そんな気持ちで捉えています。
そして、タンゴの厳しさや難しさなど全て含めて、私にとっては、楽しさ以外の何物でもない世界です。
こんなに楽しい世界がこの世にあったなんて!
いつもいつもそう思います。
もちろん実社会でも学びは多々あります、でも人と人の出会いやリレーションの中でこんなにタンゴが自分や人を成長させてくれるものなんだっていつも感じます。
タンゴによって人生を指南していただいているような、ある意味いつしかタンゴが人生の師、的な存在といえます。

ラテン系だからという理由で始めることになったタンゴがそこまでの存在になるなんて、人生はわからないですね(笑)
杉本彩さん、さすがです!

タンゴを踊る上で大切だと思うことは何ですか?

一緒に踊ってくれる相手に対する感謝の気持ち、嬉しい気持ち、そしてその相手に対するリスペクトと心からの思いやりだと思います。
どんなに技術があってもその気持ちが薄れることがあった時、私はイケてないダンサーです…。

初めて教わったシンゴ&アスカのアスカ先生に少し踊れるようになってきた頃に教えていただいた教訓があります。
「タンゴというのは、いくら上手になっても、リード側もフォロー側も、踊る目の前の方のレベルに合わせた目線に立って楽しませることが出来るかどうかが一番大切な事で、相手が初心者ならその目線に合わせて、その中で自分も楽しむ事がすごく大切な事、どんなに上達したとしても、それが出来なければそれはタンゴではないからね」…と。
今でも教訓にしています。

なるほどー、そういう思考を持っていると、実際の動きも相手が受ける感覚も変わってくるでしょうね。

タンゴを踊っていて良かったなと思うことは何ですか?

本当にたくさんの素晴らしい方々に出会えたことですね。
タンゴを始めて十数年経ちますがその経過の途中途中、自分の人生において数々の苦境な場面もありましたが、どんな時もタンゴを踊れることで、そしてその中で出会った仲間の笑顔にどれだけ癒され支えられ乗り越えられたかわかりません。
出会えた皆さん、その環境を創ってきてくださった主催の方々、そしてその根源となるタンゴそのものに心から愛と感謝を伝えたい気持ちでいっぱいです。

エネルギッシュで快活なイメージであっても、苦しい時が何度もあったんですね。人間だからもちろんありますよね…。

今日は、ドラマのようなエピソードから始まり、最終的には何というか、ヒロキさんのタンゴ人生で積み重なったものを感じることができておもしろかったです。

紹介リレーのバトンを渡す方はどなたにしますか?

JOE先生です。

日本のタンゴ界シーンにおいて、あんなにゾクゾクする大きなイベントをプロデュース出来る人はこの人以外にいないとずっとリスペクトしています。(砂漠の薔薇~六本木レジーアその後のイベントも含め…)
JOE先生には本当に楽しいタンゴの世界を感じさせてもらっていて、かれこれ12年以上経ちます。
タンゴによる社会貢献、具体的には老人福祉施設に行きタンゴボランティア活動をする世界に引き込んでくれたのもJOE先生です。

余談ですが、タンゴ界で「アニキ」というあだ名を命名してくれたのもJOE先生です。
そのお陰を持ちまして私の名前「ヒロキ」をいまだに知らず、「アニキ」としか知らない方々もかなりいるという弊害もありますが(笑)

弊害が出るほどのキャッチーなあだ名、すごいですね(笑)
最後も笑わせてもらいました。
ありがとうございました。JOEさんに依頼してみます。


吉田ヒロキさんの情報

https://www.tango-del-amor.com

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