【#015】関谷浩和さん

FJTA会員紹介リレー、第15回の紹介は関谷浩和さんです。
それではよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

それでは早速、質問させていただきます。
タンゴ歴は何年ですか?

たぶん20年ちょっとだと思います。

ベテランですね。

タンゴを始めたきっかけは何ですか?

サンバ・ヂ・ガフィエイラというブラジルのペアダンスをやっていたんですが、あんまりにもマイナーなので、他のペアダンスの場で広められないかなと思って始めました。

なるほど、ガフィエイラが先だったのですね。
ガフィエイラは今もされているのですか?

月に一度ガフィエラ友の会『宴』というイベントを開催していて、そこで踊っています。

なるほど、ガフィエイラも続けられているのですね。私もサンバ、ボサノバの音楽は好きです。

タンゴについては、現在どのような活動をされていますか?

東京でグループレッスン、プライベートレッスン、ミロンガのオーガナイザーをやっています。

ミロンガはオーガナイザーによって雰囲気が変わってくると思うのですが、関谷さんのミロンガはどのような感じですか?

『ASOVIVA』というタンゴのイベントを月1回開催していて、前身は『タンゴの宴』というイベントでした。仲間が居て楽しく飲んで好きな曲が流れたら踊りたくなっちゃうよね!という感じで『宴』をコンセプトにしていました。
『ASOVIVA』はみんなたくさん踊りますね。最近は『自由な空間』というイベントを始めて、初心者の人が練習も兼ねて踊れるプラクティカみたいなミロンガを開催しています。

なんだか楽しそうな感じですね!初心者が練習も兼ねて踊れるというのもいいですね。

タンゴにおける得意分野は何ですか?

気が短いわりにあきらめずに基礎を教えるのは得意です。

基礎は時間がかかりますよね。あきらめずに教えてもらえるのは助かりますね。

話題を少し変えて、好きなオルケスタを教えてください。

Carlos Di Sarli、Rodolfo Biagi かな。

いいですね、私も好きです。

好きなタンゴの曲を教えてください。

Fueron Tres Años
2010年にアルゼンチンに行ったときによくかかっていた曲でした。それから2~3年後に日本でもよく聞くようになりました。思い出深い曲です。

思い出の曲なんですね。
そういえば、去年も1ヵ月くらいブエノスアイレスに行かれてたんですよね。紹介者のTakamiさんがFacebookの投稿がおもしろかったっておっしゃってましたよ。私はブログの方で読ませてもらいました。常に小さなトラブルがあって(笑)、滞在中の雰囲気と自然体な関谷さんの性格が伝わってきておもしろかったです。ブエノスアイレスはいかがでしたか?

楽しかったですよー。職人だったので子供の頃からずっと仕事が忙しくて、なかなか休みが取れなくて長めの一人旅行をしたことがなかったんですよ。たまたま「ブエノスに行くんですよー!」って若者がいたので「俺も行く!」って閃いちゃったんですね。なんの計画もなく「1ヵ月行って来る!」って2月に決めて3月31日に出発しました。
英語もスペイン語もわからないので、みんな心配してメールをくれるんです。生きてるよーって苦手な日記を公開しながら過ごしました。

それがあのブログですね!英語もスペイン語もわからなくてなんとかなるものですか?

今はGoogle翻訳があるので、なんとかなりましたね。あと、昔はバスに乗るにも見づらい本を見ないと乗れなかったけど、今はGoogleマップで時刻表が出ているので昼間は事が足りました。
夜は危ないのでUberTaxiで行動して、あっという間に1ヵ月経っちゃいました。
でもスペイン語を喋れた方が楽しく過ごせると思うので、ある程度は勉強していった方が良いと思います。
タンゴを習いたい人は誰に習いたいか、その先生はどこにいるのかも調べて行った方が良いですよー。

そうですよね、できる限り準備はした方が良いですよね(笑)

それでは話を戻しまして…好きなワルツの曲を教えてください。

わりと全般的に好きだけど、Isabelita(Enrique Rodriguez)が好きです。
むかーし、男タンゴでデモやりました。

私もワルツは全般的に好きです(笑)

好きなミロンガの曲を教えてください。

最近は、Mulatada(Amores Tangos)というのがお気に入りです。

ネットで聴いてみました。楽しい感じですね!

尊敬するタンゴダンサーを教えてください。

荻野華一先生です。

そういえば、関谷さんも荻野華一さんと五十嵐純子さんの「ラ・クンパルシータ」でタンゴを始められたのですよね。
この紹介リレーに登場された方では、Shuheiさん、遠藤真由美さんもそうで「ラ・クンパルシータ」率が高いですね。

関谷さんにとってタンゴの魅力は何ですか?

言葉が通じなくても知らない人とでも、会話するみたいに踊れることですね。

たしかに。上手くいくと「さっきまで知らなかった人と1曲目から楽しく踊れた」なんてこともありますもんね。

関谷さんにとってタンゴとは何ですか?

コミュニケーション?

まさしく、先ほどの「会話するみたいに」ということですね。

タンゴを踊る上で大切だと思うことは何ですか?

思いやりだと思います。
会話をする時にコミュニケーションをどうとるのか?
例えば、挨拶でも「こんにちは」「はい、こんにちは」っていう受け答えがないと成立しない感じが同じだなと思います。
タンゴは、言葉のないコミュニケーションと言われることがあります。難しいことはしなくてもいいけど、仕組みを覚えて、いろんな人と踊れるように、と思ってレッスンをしています。
相手がどんな状態で、相手とどういう風にコミュニケーションをとるのか、思いやることが大事だと思っています。

たしかに!「相手の状態を知ろうとすること」は思いやりがないとできないことかもしれませんね。
関谷さんのキーワードは一貫して「コミュニケーション」ですね。

タンゴを踊っていて良かったなと思うことは何ですか?

ずっと職人でしたが、環境が変わって、それまでと全然違う人と知り合えたのがよかったなと思っています。
子供のころからオンリーワンになるための仕事をしてきましたが、みんなで何かをやる、という喜びを得ました。

おー、それは素敵ですね!
オンリーワンになることも喜びの一つだと思いますが、人と協力して何かをするというのはまた別の喜びでしょうね。

今日は、改めてコミュニケーションとしてのタンゴの魅力とそれによって生まれる喜びについて気づかされたように思います。
どうもありがとうございました。


HP: https://www.samba-tango-tokyo.com

Blog: https://sekiya-tango-gafi.hatenablog.com

note: https://note.com/sambatangotokyo


サイトのリニューアルのため、次回の紹介者の発表はしばらくお待ちください。

【#014】Takamiさん

FJTA会員紹介リレー、第14回の紹介は Takamiさんです。
それではよろしくお願いします。

宜しくお願いします💛
まさか自分がパンダ繋がりでバトンが渡されたりタンゲーロさんからインタビュー受けるとは思っていなかったしビックリです。

そうそう、典子さんが『憧れの中国パンダツアー』とおっしゃっていて気になっていたんですよね(笑)
パンダかわいいですよね!本場のパンダツアーはいかがでした?

お金を払ってパンダボランティアに参加したのですが、私の担当のパンダの小屋と庭を1時間位、本気で掃除しました。
庭は山肌のように急でしかも広くてパンダの糞をずっと拾い続けました。
パンダのためのおやつを作ったり、最後はパンダの隣で写真を撮りました。
あんなに近くで接したけど、私にとってはパンダの中には小人が入っている説は無くなっていません(笑)

あっ、お金を払ってのパンダボランティアだったんですね(笑)しかも内容がけっこうハード!

その話広げたい気持ちもあるのですが、パンダは少し横に転がしておいて(笑)、タンゴの質問をさせていただきます。
タンゴ歴は何年ですか?

2000年のGWから踊り始めたので23年目です。まさか、こんなに続くとは思っていませんでした。

ベテランですね。タンゴを始めたきっかけは何ですか?

タンゴの前にサルサを踊っていて、サルサの曲で朝まで過ごすのがだんだん辛くなるだろうなと思ってた時に、六本木のアーツシティでタンゴを紹介されたんです。

たしかにサルサは朝まで過ごすイメージがありますね。
私は行ったことがないのですが、六本木のアーツシティの話はよく聞きましたね。
その頃に大きな流れを作った場所の一つではないでしょうか。

駅から遠かったんですが、素晴らしい場所で毎日レッスンを受けたり踊ることができて、とても楽しかったです。
最初の頃は、厚底のサルサシューズでタンゴを踊ってました。今考えるとすごいなと思います。

あっ、サルサには厚底のタイプがあるんですね。タンゴでは足先を使う動きが難しくなりそうですね。
何か新しいことを始めた時はよくわからず変なことをすることがあると思うのですが、それはそれで良い思い出になりますよね(笑)

現在、タンゴについてどのような活動をされていますか?

現在はプライベートレッスンのみで生徒さんの要望に沿った内容を教えています。

なるほど、要望を伝えやすいのは生徒さんとしてはうれしいでしょうね。

得意分野は何ですか?

子供の頃にバレエなどのダンスをしていなくて大人になってからダンスを始めたので、私と同じように大人になってからダンスを始めた人やサルサからの転向組の人に一から教えるのが得意です。

それはいいですね!ダンス未経験者も安心できますね。

ダンス未経験者、タンゴ初心者の方へ何かメッセージはありますか?

そうですね…では現実的なアドバイスをしたいと思います(笑)

いいですね、お願いします!

レッスンを受けたり、ミロンガへ遊びに行くとき、是非、エチケットに注意してくださいね。
私は冷え性で汗をかかないので、持っていくことは無いのですが、汗をかきやすい人は、着替えとタオルをいくつか持っていくことをお勧めします。また、扇子等もあると助かるかも。
私みたいに冷え性の方は、羽織るものを忘れずに。
あと、踊る前に食事をした方は、ミンティアやガム、歯磨き等ですっきりさせてくださいね。
至近距離のため、思っているより皆さんの食べ物の匂いがします:P

エチケット大切ですね。そういった具体的なアドバイスはすぐに役に立つと思います。

エチケット以外では何かありますか?

ミロンガでは基本はカベセオで誘いあってくださいね。
カベセオは目が悪いから出来ない!っていう方、私も目が悪いのでわかります。
そういう時はちょっと近くまで移動してからカベセオしてください。あっ、目の前ではなく、近くですよ~。
私は海外のミロンガに行くときは全く知らない人だらけのミロンガなのでカベセオ受けるために、普段はしないコンタクトをします。
ミロンガでは男女比は女性が多いですよね。なので、踊らない時間も沢山あると思います。そんな時はお友達とお喋りしたり、フロアーにいる、自分が良いなと思う踊りをする人たちを観察するチャンスです。是非、観察してください。

カベセオは初心者にとって難しいとは思いますが、ぜひチャレンジして進んでいってほしいですよね。結果的にその方が本人も楽しめるのではないかと思います。
観察もいいですよね。私も人が踊っているのを見るのは好きです。

Takamiさんにとってタンゴの魅力は何ですか?

言葉が通じなくても踊りというコミュニケーションで相手と踊っている曲や時間と空間を共有できるところが魅力ですね。
タンゴは様々な国や地域でコミュニティがあって、ミロンガで交流を持つことができます。
観光旅行だけでなく、ミロンガでの出会いを楽しめるのも魅力の一つですね。今年はアジア圏に踊りに行きたいなぁ。

たしかに!旅行が観光だけじゃなくなるのは大きな魅力ですね。自然な形で人との出会いが増えますよね。

Takamiさんにとってタンゴとは何ですか?

生涯続けられる素敵な趣味であり、時として有難いことに仕事にもなってます。

なるほど、そのバランスいいですね!やはり自分に合うバランスを見つけるのが一番ですね。

今日はパンダの話から始まり、楽しい時間をありがとうございました。
軽やかな感じの中に役立つアドバイスもあって、インタビューはやはり個性が出るなと思いました。

紹介リレーのバトンを渡す方はどなたにしますか?

セッキーにバトンを渡したいです。
この間のブエノスアイレス滞在中のFacebookの投稿がとても面白かったので色々話を聞いてみたいです♫

関谷浩和さんですね。わかりました、依頼してみます。
どうもありがとうございました。

【#013】棚田典子さん

FJTA会員紹介リレー、第13回の紹介は棚田典子さんです。
それではよろしくお願いします。

わぁ、光栄です。
どうぞよろしくお願いします!

それでは早速、質問させていただきます。
タンゴ歴は何年ですか?

おかげさまでパートナー棚田晃吉とタンゴを始めて32年になります。
たくさんのご縁に感謝ばかりです。

おー、長いですね。
FJTA会員の中でもかなり長い方ではないでしょうか。

タンゴを始めたきっかけは何ですか?

一言でいうと、心惹かれたんです。タンゴに。
少し長くなりますが、大丈夫ですか?

もちろん大丈夫です、ぜひお願いします!

わたしは小さい頃から病弱で小児病棟のレギュラー選手だったんです。
でも踊ることが大好きで、起き上がれるときは何かに取り憑かれたようにガラスに自分を映して踊っていました。
神様はシンドイ身体と、踊りの中で生きる妄想力をくださったようです。

2歳くらいでバレエの先生が見つけてくださり、可愛いがってくださいました。
ジャズやコンテンポラリー、踊りは何でも楽しかったです。良い先生方にも恵まれました。

そうだったんですね。けなげな女の子が目に浮かびます。

踊りが助けてくれてましたね。
学校を卒業してからは、舞台の振り付けや演出、バレエやジャズダンスを教えたりもしました。
アングラ芝居の演出をしていたとき、役者だった棚田晃吉と知り合いました。
その頃は健康状態が悪くなっていて、踊りへの意欲より身体の辛さがどんどん増していっている時期でした。踊りの魅力が消えていって、人生はフェイドアウトに向かっているような気がしていました。
そんなとき、アルゼンチンタンゴと出会ったんです。
作り物でなく即興で生み出される二人の静かで柔らかいんだけれど力強い踊りを見て涙が溢れました。
どんな苦しみも悲しみも、この踊りのためならもっと与えられてもいい、そして、本当にこの踊りを踊るに値するものになりたい、そう感じました。

涙が溢れるような感動って、なかなかあるものではないですよね。
タンゴが心の奥底にある何かに触れたのでしょうね。

現在、タンゴについてどのような活動をされていますか?

主にレッスン、ショー、ミロンガをしています。
人と触れ合ってはいけないなんて、この数年は何て困難な時期だったか。
ようやくこの頃、コロナ前のように会いたい人に会いに行き、ハグできる明るさが戻りつつありますね。
私たちも国内外にレッスンやショーに行く予定や、スタジオでのレッスンやミロンガが以前のような状況に戻ってきました。
これからも、日本そしてアジアのタンゴの仲間たちを元気づけて、大人でエレガントなタンゴを、そして若手に楽しさを伝えていきたいなと思っています。

そうですね、かなり落ち着きましたよね。これからが楽しみですね。

タンゴにおける得意分野は何ですか?

ないですよ。私たちはきっと誰よりも不器用です。
ノリや調子よくやれない、だからきっと32年も学び続けているのだと思います。
私たちはミロンガで踊ることが好きです。質の良いあったかい大人の洒落たタンゴ文化が、競うタンゴ、振り付けの魅せるタンゴ、セラピーや癒し合うタンゴ、全てを抱き込んでもっともっと大きく豊かに成長していきますようにと願っています。
アルゼンチンでも古い私たちが😅 経験してきたこと、受け取ってきたこと、積み上げてきたことを次の世代に伝えていけたら幸せだなと思っています。

「ない」とあっさり言えちゃうところがすごいなと思いました(笑)それが結果的に強みになっていますね。

好きなタンゴの曲を教えてください。できれば3つまでお願いします。

長く踊ってきた人生の節々に、大好きな曲があります。だから選べないんですよね~。多すぎて。

ですよね~(笑)
ではそれはまたゆっくりということで、尊敬するタンゴダンサーを教えてもらえますか?

わたしは師は一生のものと思い、ずっと繋がっていたい方なんです。しつこいんです😅
たくさんの先生や先輩、キラキラの若いダンサーの皆さんも、わたしには先生です。
その中で3人を今日はあげさせていただきます。

まずは Vanina Bilous、わたしの指針でもあります。
Vanina と Roberto に”プグリエーセを踊る”ということを叩きこまれました。
ある時2週間の滞在で、毎回出の一歩で「No」と言われ続けました。そこから先にいかない。
辛かったですよ。泣けました。でも、今思えばよくぞ「No」と言ってくださった。感謝しかありません。おかげでその大切さが、プロタンゴ人生のベースとなりました。
本当は寂しがりやで傷つきやすい彼女がいつも明るく周りの人たちを励まし、明るく笑顔にする姿もわたしの心に強く刻まれています。

次に Osvaldo Zotto、われわれには憧れの兄のような存在です。互いの苦しい時もそばにいました。
リフト一つないタンゴの神々しさ、お調子良くない、静けさのある彼の美学、目に焼きついています。

最後に Carlos Gavito。
数ヶ月彼の助手をしていたとき、毎日「足をもっと集めろ」「軽々しく足を上げるな」と怒られました。「美しくない」と。
「集めてます!」「上げてません!」何度も言い合いました。
足を集める、そこにあるもの。それを教えてくれたのだと思います。

あ~悔しいけど、もう Gavito も Osvaldo もいないんです😭

踊りが魅力的というだけでなく、指導するときの姿勢、言葉が尊敬につながっているのでしょうね。
その時間、経験がかけがえのないものであることが伝わってきます。

確かにかけがえのないものですね。
その当時つらかった思い出もありますけどね😅

えっ、例えばどんな思い出があるんですか?

私たちのソロとしてのアルゼンチンデビューはAlmagroというミロンガで、Osvaldo Zotto に連れられて、まだ中高生くらいの Gabriel Missé と Geraldin Rojas のデモの前座でした。
ネガティブな私には「日本人の踊りなんか見たくないのよ」という無言の声が聞こえるような気がして…とてもこたえました😭

ビデオも写真もダメ、人のステップやポーズを誰の許可を得てやってるんだ、と言われたことも…
踊りたい曲は踊らせてもらえません。当時は大先輩方が何十年もその曲の代名詞のように踊り続けているわけですから。
ちゃんとあいさつをする、先生を裏切らない、彼らが大切に思うことを厳しくも愛を持って教えてくれました。

なるほどー、容赦とか遠慮がない感じですね。
ストレートでよいとも取れるのですが、強いメンタルが必要ですね(笑)
濃密な時間というのは、喜びも苦しみも混ぜ合わさってできているということなのでしょうか…

そうですね、つらいこともあったけど、学んだことはそれ以上にあります。
私たちが活動を始めた頃は、日本でタンゴを舞台で踊るダンサーもごく数組で、二十歳そこそこの私たちは先輩方に本当に可愛がっていただきました。
オルケスタティピカ東京などタンゴ史に残る名演奏家の皆さん、阿保郁夫さんをはじめ歌手の先生たちとたくさんの時間を過ごせた最後のジェネレーションです。
教えていただいたこと、お話を聞かせていただけたこと、私たちの財産です。
現地で映画エビータの撮影に携わったことも貴重な経験でした。

日本のタンゴも人から人へつながって今にいたるのですね。

良い時代を生きられたと思います。
それぞれの時代でよいところがありますよね。
今は毎年世界大会があり、いろいろな国でフェスティバルがあります。プグリエーセやピアソラの大曲を誰でも自由に踊ることができます。

たしかにそうですね。
自由になった今は、やはりプグリエーセを踊ることが多いですか?

いえ、私たちはその分敢えて軽めの曲やミロンガを踊ることが多いですね。観る方々には重い曲ばかりは辛いですからね。
プグリエーセやピアソラを踊ることもありますが、そのときは命を削ります。命を捧げると、不思議と新しいパワーが宿ります。でも、だからあまりたくさんは踊れないんです。

ミロンガで、賑やかで華やかな曲が続くときもやはり歳を感じます😭
耳も皮膚感も疲れてしまうんです。大人は大人のタンゴを踊らねばなりません。

今は、相手が自由に体を奏でられる上質な心地よいアブラッソで、静かに互いを与え感じ合え深まることができたら最高だなと思います。もう人生終わっても構わないと思うんです。

なるほどー、典子さんのタンゴ観は命との結びつきが強いですね。
繊細なのに、歳を感じることを変に隠そうとしないのは自然体で素敵なことだなと思いました。

今日は、なかなか聞くことのできない経験談などをありがとうございました。典子さんの人間愛とタンゴへの思いに触れられた気がします。
紹介リレーのバトンを渡す方はどなたにしますか?

憧れの中国パンダツアーを実現されたTakami先生にお願いしたいです。
いつもしなやかで美しいタンゴにウットリしてしまいます。

中国パンダツアー、憧れなんですね(笑)
わかりました、Takamiさんに依頼してみます。

最後に、読者の皆さまにメッセージを送りたいのですが、いいですか?

はい、もちろんです!
初めてのケースでおもしろいです。お願いします。

皆さま、わたしの話を聴いてくださりありがとうございました。
最後にもう一つ。夢は、80歳になって若い素敵なタンゴのバイラリンの皆さんに、心地よい静かなバースデー・ワルツをご一緒いただくこと。
果たしてその日が来るでしょうか。それまで頑張らなくては!ですね。
どうぞこれからも、タンゴの良い仲間でいてください。
恵比寿のスタジオ ラ・バルドッサにもぜひ遊びにいらしてくださいね!

ありがとうございました!


棚田典子さんの情報

https://tangoproject.jp

【#012】ユージンさん

FJTA会員紹介リレー、第12回の紹介は ユージンさんです。
それではよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

それでは早速、質問させていただきます。
タンゴ歴は何年ですか?

24歳の頃、1997年から習い始めたので、今年で25年目ですね。

紹介元のJOEさんと同じくベテランですね!

タンゴを始めたきっかけは何ですか?

14〜15歳の頃から芸能プロダクションに所属して俳優業をしていたのですが、舞台の休みの期間に芸幅を広げようと思ってタンゴを習いはじめたのが最初です。
タンゴはソシアルダンスの教師資格を持っている母が当時プライベートレッスンを受けていた先生の所に見学に行ったのがタンゴとのファーストコンタクトですね。 

もともと俳優をされていたのですね!しかもそんな若い頃から。

現在、タンゴについてどのような活動をされていますか?

今は渋谷と品川のスタジオで団体(グループ)レッスン、そのほか個人(プライベート)レッスンなどを各所でしてます。

イベントは毎週日曜日に「TOKYO E&A MILONGA」を広尾で開催してます。

その他は、コンサート、ライブ、ショーやミロンガなど様々なタンゴイベントでパフォーマンスをしたり、ミュージックビデオやラジオに出演させてもらったりしています。

まあ当然ですが2020年からのコロナ禍で緊急事態宣言中やマンボウ中の時はオンラインでの活動が多かったですけど、最近はオフラインの仕事ができるようになってきたので嬉しい限りです。

レッスン、ミロンガ、パフォーマンス、メディア出演とアクティブに活動されているのですね。

タンゴにおける得意分野は何ですか?

得意分野というか、私はタンゴ界の「ファンタジスタ」を自負してますし、現代的なイメージを持たれがちですが、実はタンゴの歴史と伝統を踏襲しつつも枠に囚われず自由にタンゴダンスをアートとして表現してます。
常に見た人の記憶に残る印象的なパフォーマンスができるように心がけてます。

タンゴのムーブメント(動作)として好きなのはコントラ系ですね。中でもサカーダやボレアーダに関しては強い拘りを持ってます。

なるほどー、ユージンさんのダンサーとしてのポリシーが伝わってきます。

好きなオルケスタを教えてください。できれば3つまでお願いします。

うーん。。個人的に聞くのと踊るのとDJ目線では好きな感じが違うから難しいなぁ。

なるほど、たしかにそうでしょうね!
カエルによるカジュアルなインタビューなので、何視点かはお任せします(笑)

まあいずれにしろ Juan D’Arienzo、Carlos Di Sarli、Francisco Canaro、Osvaldo Pugliese は、間違いなく殿堂入りだと思うので、それ以外だと、、、。
Rodolfo Biagi、Angel D’Agostino、Astor Piazzolla とかですかね。

現代タンゴだと Tango Bardo や Orquesta Romantica Milonguera、もちろんMVにも出演させてもらった El Cachivache Quinteto も好きです。

・・・その他にもたくさんあり過ぎて3つだけ選ぶのはムリですw

好きなオルケスタにも伝統と現代が共存しているのでしょうね。
挙げられた順番にそこまで深い意味はないのかもしれませんが、私としては Rodolfo Biagi が一番目に来ていてうれしい気持ちになりました。私も好きです。

好きなタンゴの曲を教えてください。

めちゃめちゃたくさんあるから選べないですが、パッと思いついたのはこれです。

Rodolfo Biagi の “La Maleva”
1分34秒からの浮遊感が最高なんです。
ピチューコバージョンだとそこのパートはバンドネオンなのですが、ビアジバージョンはバイオリンなのです。それがたまりません。ぶっ飛びます。

Osvaldo Fresedo の “Buscándote”
これ嫌いな人はいないと思います。
ミロンガでも鉄板。

Héctor Varela の “Fueron Tres Años”
音楽と歌のグルーブ感、そして緩急がたまりません。とにかくカッコいい。

うーん、ユージンさんのタンゴおたく具合が伝わってきておもしろいです(笑)

好きなワルツの曲を教えてください。

Juan D’Arienzo の “En El Rosal”
楽曲も歌もゴージャスな雰囲気なので踊っていてテンションが上がります。

“El Último Adiós”
本場ブエノスアイレスで400人以上集まるセントロの有名ミロンガでユージン&アリサが初めてエキシビションした時の二曲目に踊った曲。この曲を聴くとあの時の緊張が蘇ってバクバクします。

Pedro Laurenz の “Paisaje”
Alberto Podesta の歌がまた最高なんですよね。
とても綺麗なメロディで本当に名曲だと思います。

たしかに曲を聴いて「あー、あの頃を思い出すなぁ」みたいなのってありますよね。音楽と記憶の関係って不思議です。

好きなミロンガの曲を教えてください。

Las Bordonas の “La Mulateada”
ギターやパーカッションが特徴的な現代の若いバンドに、なんと生前のAlberto Podesta が歌で参加している曲です。初めて聴いた時は感動して泣けました。とにかく私がこの曲を好き過ぎるのでウチのミロンガではよくかけてますw

Francisco Canaro の “Reliquias Porteñas”
王道過ぎて申し訳ないのですが、名曲中の名曲。細胞レベルで好きですw
イントロ聴いただけでもブチ上がりますね。

Juan D’Arenzo の “Milonga vieja milonga”
音で遊べるミロンガの曲といえばコレ!
とにかく踊ってて楽しい曲です。

Las Bordonas の “La Mulateada” の動画見てみました!すごくいいですね!
どれもテンションの上がる踊りたくなるミロンガですね。

尊敬するタンゴダンサーを教えてください。

Mariano ‘Chicho’ Frúmboli
まず、初めて彼を知った時にタンゴ界にこんな凄い才能を持った人がいることに感動しました。
数年間にわたり、とてもたくさんの事を彼から直接学びました。

うーん、タンゴダンスの世界に与えた影響も相当なものですよね。いわば革命でしょうね。

ユージンさんにとってタンゴの魅力は何ですか?

これに関しては賛否両論だと思いますが、私はこう思います。タンゴは時代と共に常に進化する踊りなので飽きる事も尽きる事もないという事です。哲学のように答えがないとも言える懐の深い不気味さも魅力だと思ってます。そして、自分のセンスでどんどんアップグレードしていける踊りなのでいつも新鮮に楽しめる事です。

なるほどー、たしかにタンゴっていろんな変化に対して最終的には寛容というか柔軟というかそんな気がします。
そもそも歴史を辿れば、変化やミックスの中で生まれて進化してきたものですしね。

ユージンさんにとってタンゴとは何ですか?

楽しい遊び。そして職業。ライフワークですね。

明快ですね!

タンゴを踊る上で大切だと思うことは何ですか?

まず、マナーやルールでしょうね。
タンゴにはマナーやルールが沢山ありますので、経験が浅く、マナーなどよく分からない方は、ミロンガでタンゴを楽しむために先生や、信頼できるベテランの方に教えてもらう必要がありますね。
それと男女共に、楽しく気持ちよく相手に踊ってもらえるように気を使う事だと思います。

そうなんですよね、まだよくわからない方は、遠慮なく先生や信頼できるベテランにどんどん聞いたらいいんですよね。

タンゴを踊っていて良かったなと思うことは何ですか?

年齢など関係なく、沢山の人と知り合い、触れ合える事。
国籍も関係なく、言語も違う国の人とでもタンゴを踊ることが出来るというのは大きな魅力です。
タンゴを踊っていなかったら今のような素晴らしい人間関係も築いていなかったでしょうし、タンゴを踊る事によって人生が楽しいものになっている事は間違いありませんね!

うーん、なるほど。インタビューをしていて、ユージンさんの話は「楽しい」「楽しむ」というのがキーワードになっているように感じたのですが、これについてはいかがですか?

まさにその通りです。
仕事も遊びも楽しくなかったら意味が無いと思ってます。つまり、タンゴはなんだかんだ言っても娯楽ですので、私にとって「遊びが仕事」であるし「仕事が遊び」でもあります。だから楽しくないわけがない。が故に常に「教え」も「パフォーマンス」もまず第一に「楽しさ」が伝わるように真剣に取り組んでます。
勿論、社会的な諸々のリスクを承知で楽しいと思える事を仕事にしている以上、誇りを持って「楽しい遊びの伝道師」として今後も真剣に頑張っていきたいと思ってます。

楽しい遊びの伝道師!!素敵です。

今日は、ユージンさんのダンサーとしてのポリシーやタンゴへのこだわりを知ることができておもしろかったです。

紹介リレーのバトンを渡す方はどなたにしますか?

昔からお世話になっている棚田典子先生でお願いします。

わかりました。依頼してみます。
どうもありがとうございました。

【#011】JOEさん

FJTA会員紹介リレー、第11回の紹介は JOEさんです。
それではよろしくお願いします。

はーい!!よろしくお願いします!

ノリのいい感じですね!
それでは早速、質問させていただきます。
タンゴ歴は何年ですか?

1998年からやっていますので、今年で24年になりましたねーーながーー(汗)

ベテランですね!

タンゴを始めたきっかけは何ですか?

浅草のソウルバーに通っていたとき、常連だったお客様に桑原和美先生がいたんですよ。
そこでタンゴダンサーになれってスカウトされました(笑)

えっ、唐突ですね(笑)

いや、この話をすると長くなるので、ざっとダイジェストで説明すると、和美先生を中心としたユニット Tango Love をきっかけにタンゴのすばらしさ、楽しさを知り、脱サラしてダンサーになろうと決意しました。

ざっくり説明するのが上手いですね(笑)要点をつかめた気がします。

現在、タンゴについてどのような活動をされていますか?

恵比寿のダンススタジオ STUDIO-J を2006年に設立して以来、主にタンゴレッスン、ショー、イベント企画などをやっております。

ダンススタジオの方も長いですね。

タンゴにおける得意分野は何ですか?

主にショータンゴで、ガンガン動くのが好きです、持ち上げるのも好きです(笑)
サロンだと、ダリエンソとか、音刻んだり、止まったりするリズム系やプグリエーセなどの溜めの強い曲で踊るのもテンション上がります。

なるほど、踊りの動きを楽しむ感じでしょうか。「持ち上げるのも好き」にうけました(笑)

好きなオルケスタを教えてください。

うーーたくさんあって難しいですね。
あえて選ぶなら、ベタですが、Juan D’Arienzo 楽団、Osvaldo Pugliese 楽団、Carlos Di Sarli 楽団ですね。

王道ですね。私の場合、タンゴを始めてから好きな時期が何周かしています。

好きなタンゴの曲を教えてください。

これもたくさんあって選ぶのが難しいですが…
しいて選ぶなら La Mariposa(Osvaldo Pugliese)、Pura Trampa(Juan D’Arienzo)、Mala Junta(Osvaldo Pugliese)。

私は『Mala Junta』のあの笑い声と口笛と切ないメロディーとバリアシオンが大好きです。もちろん Julio De Caro 楽団のもいいですよね。

好きなワルツ、ミロンガの曲を教えてください。

ワルツは Desde El Alma(Osvaldo Pugliese)、Acuérdate De Mi(Carlos Di Sarli)、Viejo Portón(Rodolfo Biagi)。

ミロンガは Mano Brava(Aníbal Troilo)、Pena Mulata(Roberto Firpo)、Arrabalera(Francisco Canaro)などです。

一言でワルツ、ミロンガと言っても、いろいろな雰囲気がありますよね。

尊敬するタンゴダンサーを教えてください。

うわー難しいですね。
私はYouTubeでけっこう研究するので、たくさんいすぎて悩んでしまいますが…
ここはあえて、ブエノスアイレスでお世話になった師匠たちを選ばせていただきます!
カルロス・リバローラ、アンヘル・コリア、ホルヘ・トーレス。

今はYouTubeなどで研究もできそうですが、実際に見たり指導してもらって得られるものとは比較にならないですよね。

タンゴを踊る上で大切だと思うことは何ですか?

男性の生徒さんにもよく言っているのですが、”思いやり”かと。
特にミロンガで踊るのって、すべてそれかと。もちろん上手い下手とかあるけど、どれだけ相手に対して、気持ちよく、楽しく、愉快にしようという気持ちですかね。女性は、ガンガンステップやるから楽しいわけでなく、やさしく、音楽にあったリードで心地よくなるものですからね。
女性も男性に思いやりですね、特にビギナーにやさしくとか。

思いやり…大切ですね。それがあるだけで全く違う踊りになるでしょうね。

JOEさんにとってタンゴの魅力は何ですか?

多すぎて難しいですねー。
でも大まかに言えば…

・男女が近づいて踊ることによる、気の交換での癒し効果
・音楽を聴いて一緒に踊る快感
・大人の社交場で色々な方と会える楽しみ
・体を動かす爽快感

など、心にも体にも良いことがたくさんあります。
楽しく健康になれることですね。

たしかに。タンゴを始めてどんどん素敵になっていく人いますよね。

タンゴを踊っていて良かったなと思うことは何ですか?

そうですね、自分でやりたいアーティスト活動、振付やったり、楽しい企画もののイベントやったり、イベントが成功したときの充実感、ビギナーの生徒さんがミロンガで楽しく踊ることができたときの笑顔が見れたり、たくさんあります。

活動一つ一つに喜びがありそうですね。

抽象的な質問ですが、JOEさんにとってタンゴとは何ですか?

恩返しするものかな?
昔これでも8年サラリーマンやっておりまして、脱サラして、ブエノスアイレス行って、帰国してJOEタンゴ作って、スタジオ作って、あっと言う間に時が過ぎたけど、タンゴでつらいことも楽しいこともたくさんあって、タンゴを通じてめちゃめちゃ人生勉強させてもらいました。
ついては、タンゴを通じて役に立てることをしたいとなーと思ってます。
タンゴ人口増やすの頑張ったり、業界盛り上げたり、タンゴで健康になってもらったりなど、タンゴで勉強させてもらった分、少しでも恩返しをという気持ちですね~。

なるほどー。つらいことも楽しいこともあったけれど、充実していたということなのでしょうね。
仕事のモチベーションに恩返しの気持ちが含まれているのは素敵なことですね。

そういえば、紹介者のヒロキさんが、JOEさんプロデュースのイベントが楽しい!とおっしゃっていました。
イベントをされるときに意識していることなどはありますか?

そうですね… 一番意識しているのは、”まったくタンゴを踊ったことがない人でも楽しめる場所づくり”でしょうか?

タンゴ人口が増えないと踊ってくれる人はいずれいなくなってしまいますし、マニアックになると、初めての方は馴染めなくてタンゴへの興味がなくなってしまいます。

私がCLUBイベントをやっているときによく聞く言葉があって、
”初めて踊る人を連れていくには、JOEさんのPARTYが一番!”
うれしい言葉ですね。今後もCLUBイベントなどを開催しようと思っていますが、軸をぶらさず、やっていきたいと思います。

うーん、素敵ですね!
初めのうちは本当に緊張しますよね。私も緊張しながらミロンガのドアを開けたことを覚えています。今では良い思い出ですが(笑)

今日は、JOEさんが大切に思っていることなど、なかなか聞けない話を聞くことができておもしろかったです。

紹介リレーのバトンを渡す方はどなたにしますか?

では、昔から付き合いの長い、Eugene(ユージン)先生にバトンを渡したいと思います。

わかりました。依頼してみます。
どうもありがとうございました。


JOEさんの情報

https://www.joetango.com/

【#010】吉田ヒロキさん

FJTA会員紹介リレー、第10回の紹介は 吉田ヒロキさんです。

タンゲーロくん、どーもー!

あっ、どうもよろしくお願いします。
とてもエネルギッシュで快活な感じですね。

よろしくお願いしまーす!

それでは早速、質問させていただきます。
タンゴ歴は何年ですか?

はい、14年弱です。

タンゴを始めたきっかけは何ですか?

私がタンゴに出会って始めたきっかけなんですが、少し変わったいきさつでして、女優の杉本彩さんとの出会いに始まります。
あの方とお会いしていなければ、おそらく今現在タンゴをやっていないと思います。

えーっ、すごい始まり方ですね!
ぜひ詳しく聞かせてください。

今でもその時のことを鮮明に覚えていますが、今から14年前、当時私が住んでいた桜新町の行きつけのフレンチ居酒屋のマスターから「どうしても会わせたい人が来てるからすぐに店に来て欲しい」と連絡があり行ってみるとそこに杉本彩さんがいらっしゃっていてびっくり!?

彩さん曰く「お店のアルバムの写真に写っていた貴方を見て、このラテン系の男性とぜひ会いたいとマスターに話したら呼んでくれたんです」との事でした。

おー、杉本彩さんからのアクションだったのがさらに驚きです。

それから2時間ほどシャンパンをご一緒していましたら彩さんから突然「吉田さんタンゴやりませんか?」とお誘いを受け、彼女が主催するレッスン会に明後日から来てほしいとの事。

タンゴやペアダンスを全く知らない私:「タンゴって??? あ、オーレィッ!ってやつですか?」
彩さん:「それはフラメンコです笑」
私:「僕になんかできますかね~?」
彩さん:「大丈夫!あなたラテン系だから!」

…とかなり強引な(笑)タンゴナンパを受け、結局2日後のレッスン会に行く羽目に^^;
そして、そこで講師を担当していたシンゴ&アスカ先生に習い始めることになったわけです。

おもしろいですねー!そんなドラマみたいなことが起きるんですね。
私的には、杉本彩さんが主張する大丈夫である理由がツボです(笑)

現在、タンゴについてどのような活動をされていますか?

札幌に移転してから4年近く経ちます。
FJTAの北海道支部長として、北海道のタンゴファンの皆さんがタンゴをより楽しめるように、またタンゴファンをもっと増やしていくために、札幌を拠点として数ヶ所開催されるミロンガなどのタンゴシーンへの応援と、ミロンガ、レッスン、プラクティカなどの自主開催を含め、北海道のタンゴ普及活動をしています。

また、東京にいる時にJoe先生と活動していたタンゴボランティア活動をこの札幌でも続けた流れで、3年前からNPO法人日本タンゴセラピーの一員としての活動(今は休止中ですが)を行ってきました。

なるほど、札幌を拠点にタンゴを盛り上げる活動をされているのですね!
札幌のタンゴ、いいですね。市外の人は旅行を兼ねてタンゴを楽しめますね。

タンゴにおける得意分野は何ですか?

得意といえるかどうかは分かりませんが、その曲をどう聴いてどう伝えていくかというミュージカリティ分野は自分では得意な方かと思っています。

どう聴いてどう伝えていくか、大事なことだと思います。

好きなオルケスタを教えてください。

Osvaldo Pugliese
Carlos Di Sarli
Astor Piazzolla

僕はDJの方のように詳しくはないのですが、Pugliese楽団の楽曲は凄く情熱的でショーで踊るときに気持ちが入ります。

わかります! 私はラテン系ではないのですが、Osvaldo Pugliese を聴いていると、情熱が湧き上がってきます(笑)

好きなタンゴの曲を教えてください。

Recuerdo ~ Osvaldo Pugliese
Gallo Ciego ~ Osvaldo Pugliese
Tzigane Tango ~ Astor Piazzolla

プグリエーセで好きな曲はまだまだあります。
ピアソラの楽曲は革新的な独創性で、聴くだけで心が踊りだすゾクゾク感満載です!
もちろんピアソラで踊るのも大好きです^^
ちなみに Oblivion や Libertango もむちゃくちゃ好きです。

言うまでもなく、ピアソラいいですよね。
Tzigane Tango はタンゴファンでなくても「素敵ー!」となるのではと個人的に思っています。

好きなワルツ、ミロンガの曲を教えてください。

Lagrimas y Sonrisas ~ Juan D’Arienzo
Lagrimitas De Mi Corazón ~ Anibal Troilo
La Milonga De Buenos Aires ~ Francisco Canaro

ワルツは楽しいのに切ないのが不思議ですよね。

尊敬するタンゴダンサーを教えてください。

はい!桑原和美先生です!
タンゴを始めて9年目くらいでしょうか、和美さんに「私で良ければ組んでいただけませんか?」と非常に謙虚で真摯なオファーを受け、札幌に移転するまでの2年くらいの間、いろいろな場所でステージで、彼女が目指す大人タンゴのステージに立たせていただきました。
その中で、言葉は発せずとも和美先生から伝わってくるタンゴへのリスペクト、情熱、想い、それらを深い角度で学ばせていただいたと思っています。
ショーでは私自身のたくさんの失敗もありましたが、毎回和美先生は常に自分の反省しかしない…その姿と人間性、タンゴに取り組む姿勢に本当に敬意を感じつつ、深く学びを得ました。

うーん、「常に自分の反省しかしない」というのは驚きですね。なかなかできることではないと思います。
桑原和美さんのもとでタンゴを始めたダンサーも多くいますよね。

男性のマエストロダンサーとして尊敬している方は、
Juan Carlos Copes
Carlos Gavito
この方々の独創的なダンススタイルは凄く自分のダンススタイルにも影響がありますし、後年のタンゴダンサーに大きな影響を与えたと何度映像を見ても深く感じます。

間違いなく歴史に名を残すダンサーですね。

ヒロキさんにとってタンゴの魅力は何ですか?

言葉を交わさずとも、そしてどんな社会的な立場や年齢も関係なくお互いを伝え合うことが出来るのが最大の魅力だと思います。
余計な事は知らなくてもタンゴを踊ればお互い”その人の素が分かる”といいますか…

かなり前に確かGYU先生から伺ったのですが、「タンゴが踊れるようになる事、それは世界中どこの国に行ってもその国の言葉を話せなくとも心を通わせることが出来るパスポートを手に入れたようなもの」だと。本当にそう思います。
今もタンゴに興味を持っていただくためのセールストークに引用させていただいています(マジです^^)

そしてなんと言ってもやはり!、1曲、そして1タンダの中で、そのお相手としか成し得ない筋書きのないドラマを生み出せるその嬉しさや楽しさ…もう最高ですよね!^^

そうなんですよね、人間って基本的には心を通わせたい生き物なんですよね。タンゴを踊れるとたしかに世界が広がりますね。

ヒロキさんにとってタンゴとは何ですか?

大げさな言い方かもしれませんが、自分にとっては間違いなく生きる情熱の源、生きている証、そんな気持ちで捉えています。
そして、タンゴの厳しさや難しさなど全て含めて、私にとっては、楽しさ以外の何物でもない世界です。
こんなに楽しい世界がこの世にあったなんて!
いつもいつもそう思います。
もちろん実社会でも学びは多々あります、でも人と人の出会いやリレーションの中でこんなにタンゴが自分や人を成長させてくれるものなんだっていつも感じます。
タンゴによって人生を指南していただいているような、ある意味いつしかタンゴが人生の師、的な存在といえます。

ラテン系だからという理由で始めることになったタンゴがそこまでの存在になるなんて、人生はわからないですね(笑)
杉本彩さん、さすがです!

タンゴを踊る上で大切だと思うことは何ですか?

一緒に踊ってくれる相手に対する感謝の気持ち、嬉しい気持ち、そしてその相手に対するリスペクトと心からの思いやりだと思います。
どんなに技術があってもその気持ちが薄れることがあった時、私はイケてないダンサーです…。

初めて教わったシンゴ&アスカのアスカ先生に少し踊れるようになってきた頃に教えていただいた教訓があります。
「タンゴというのは、いくら上手になっても、リード側もフォロー側も、踊る目の前の方のレベルに合わせた目線に立って楽しませることが出来るかどうかが一番大切な事で、相手が初心者ならその目線に合わせて、その中で自分も楽しむ事がすごく大切な事、どんなに上達したとしても、それが出来なければそれはタンゴではないからね」…と。
今でも教訓にしています。

なるほどー、そういう思考を持っていると、実際の動きも相手が受ける感覚も変わってくるでしょうね。

タンゴを踊っていて良かったなと思うことは何ですか?

本当にたくさんの素晴らしい方々に出会えたことですね。
タンゴを始めて十数年経ちますがその経過の途中途中、自分の人生において数々の苦境な場面もありましたが、どんな時もタンゴを踊れることで、そしてその中で出会った仲間の笑顔にどれだけ癒され支えられ乗り越えられたかわかりません。
出会えた皆さん、その環境を創ってきてくださった主催の方々、そしてその根源となるタンゴそのものに心から愛と感謝を伝えたい気持ちでいっぱいです。

エネルギッシュで快活なイメージであっても、苦しい時が何度もあったんですね。人間だからもちろんありますよね…。

今日は、ドラマのようなエピソードから始まり、最終的には何というか、ヒロキさんのタンゴ人生で積み重なったものを感じることができておもしろかったです。

紹介リレーのバトンを渡す方はどなたにしますか?

JOE先生です。

日本のタンゴ界シーンにおいて、あんなにゾクゾクする大きなイベントをプロデュース出来る人はこの人以外にいないとずっとリスペクトしています。(砂漠の薔薇~六本木レジーアその後のイベントも含め…)
JOE先生には本当に楽しいタンゴの世界を感じさせてもらっていて、かれこれ12年以上経ちます。
タンゴによる社会貢献、具体的には老人福祉施設に行きタンゴボランティア活動をする世界に引き込んでくれたのもJOE先生です。

余談ですが、タンゴ界で「アニキ」というあだ名を命名してくれたのもJOE先生です。
そのお陰を持ちまして私の名前「ヒロキ」をいまだに知らず、「アニキ」としか知らない方々もかなりいるという弊害もありますが(笑)

弊害が出るほどのキャッチーなあだ名、すごいですね(笑)
最後も笑わせてもらいました。
ありがとうございました。JOEさんに依頼してみます。


吉田ヒロキさんの情報

https://www.tango-del-amor.com

【#009】ケニーさん

FJTA会員紹介リレー、第9回の紹介は ケニーさんです。
それではよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

早速、質問させていただきます。
タンゴ歴は何年ですか?

13年です。

タンゴを始めたきっかけは何ですか?

パリ在住中に、野外ミロンガを見て、その景色に魅了されて始めました。

パリに住んでいたことがあるんですね!
パリにもたくさんのミロンガがあるようですね。私もいつか行ってみたいです。

現在、タンゴについてどのような活動をされていますか?

NPO法人 日本タンゴセラピー協会の理事として、全国のボランティアの皆さんと一緒にOnlineで介護施設のご利用者の皆様とタンゴセラピーを行っています。

おー、タンゴセラピーも今はOnlineでされているのですね。工夫して続けられているのは素晴らしいことですね。

もう一つ。コロナ前までは、月に1〜2回定期開催のミロンガでDJをさせていただいてましたが、コロナ禍ではそのミロンガが休止となっていたため、せめてタンゴ愛好者の方がミロンガの雰囲気を忘れないようにと会議アプリのZoomを使い、全国のDJや演奏家、ダンサーの方に協力していただき、オンラインミロンガという形でタンゴの曲を聴くイベントを継続しています。
今までは、ミロンガに行っても選曲のことよりも踊る方に気がいってしまっていたのですが、このオンラインミロンガで、さまざまなDJの方の選曲を聴いて、大変勉強させていただいています。ちなみにタンゴやチャカレラのミニレッスンコーナーもあり、曲を聴くだけでなく身体を動かすこともできます^_^
コロナも少しずつ落ち着いて来ましたので、最近はDJ活動も再開し始めています。

ミロンガをオンラインでするという発想自体がすごいと思いますし、それを実現されていることが驚きです。固定観念をなくせば何でもできるんだなぁと…

タンゴにおける得意分野は何ですか?

アブラッソです。誰と踊る時も心を込めてます。

心のこもったアブラッソ、いいですね。タンゴのエッセンスだと思います。

話題を少し変えて、好きなオルケスタを教えてください。難しいと思いますが、3つまででお願いします。

Francisco Canaro …懐かしい
Lucio De Mare …ストレートな悲しみ
Ángel D’Agostino …日常的

それぞれのオルケスタを表現する言葉がおもしろいですね!
Ángel D’Agostino が「日常的」というのはわかるようなわからないような感じがするのですが(笑)、もう少し詳しく言うならばどういう感じの「日常的」でしょうか?

タンゴの曲は、男の失恋の曲が多く、女性への想いや振られた嘆きを表現する歌詞がよく出てくることは知っていたのですが、ある時レッスンを受ける中で、Ángel D’Agostino の曲について、彼の曲は日常的な事を歌ってるものが多いと聞きまして、それ以来、彼の楽団の曲を聞くときは、「あ〜、今日もこんな一日だったなあ」というような、自分自身の日々の生活を振り返るような気持ちで曲を聴いて踊っています。

なるほど、そういう意味だったのですね。切なくて美しいメロディも日常に潜んでいるのかもしれないですね。

好きなタンゴの曲を教えてください。

Cogote – Francisco Canaro
Solamente Ella – Lucio De Mare
Fantasía en tiempo de tango – Osmar Maderna

ケニーさんの個性が感じられる選曲ですね!
『Fantasía en tiempo de tango』はチャルダッシュがモチーフですよね。

好きなワルツの曲を教えてください。

Pedacito de Cielo – Anibal Troilo
Romance de Barrio – Anibal Troilo
Ilusión Azul – Alfredo de Angelis

どれも素敵なワルツですね!

好きなミロンガの曲を教えてください。

Sacale Punta – Edgardo Donato
Milonga Sentimental – Francisco Canaro
Milongon – Francisco Canaro

踊りたくなりますね(笑)

尊敬するタンゴダンサーを教えてください。

GYU先生です。

すごい、KaQさんもGYUさんを挙げていましたね。
弟子に尊敬され続けるのは、当たり前のようで実はなかなか難しいことなのではないかと思います。

ケニーさんにとってタンゴの魅力は何ですか?

良くも悪くも人と深くつながり、良い思いもすれば嫌な思いもする。
言葉や世代、文化や宗教の壁を超えて全ての人が心からコミュニケーションできることだと思います。

たしかに。そういう意味では一緒に踊ることは人間にとって根源的なものなんでしょうね。

ケニーさんにとってタンゴとは何ですか?

世界平和へのアイデアです。

おもしろい発想ですね!
さきほどの言葉や世代、文化や宗教の壁を超えて…という話が世界平和につながるという理解であっていますか?

はい。もう少しわかりやすくいうと、私たちの生活の中にはたくさんのコミュニティーがあり、その中の平和が集まって、大きな平和を作ると思っています。タンゴ(ミロンガ)のコミュニティーは、心と身体でのコミュニケーションや、シニアへのリスペクト、お互いへのマナーが揃っているだけでなく、ダンスパーティーのように必ずしも踊れなくても、その場の雰囲気を楽しんだり、人に会うために来ることができ、一日の生活を豊かにする要素が詰まっています。このミロンガが、全国どこの地域でも開催されていると思ったら、平和な気がしませんか?

おー、そんな気がしてきました!
なるほどー、「世界平和へのアイデア」に合点がいきました。

タンゴを踊っていて良かったなと思うことは何ですか?

コロナ禍で人と人の距離が必要とされている時に、アブラッソの温かさを思い出す事ができること、そしてまたタンゴを踊りたいという気持ちが心の中にいつも宿っていること、そして、きっと同じようにタンゴ仲間も思っていると確信できることです。

なるほど、コロナ禍でもタンゴが心を補ってくれているわけですね。
そういう感覚はタンゴを踊ったことのある人が感じられる特別なものかもしれないですね。

タンゴを踊る上で大切だと思うことは何ですか?

踊っている最中に、相手、音楽、会場を全身で感じてお互いに伝え合うことです。

うーん、さきほどのアブラッソの話もそうですが、何というか惜しみない愛を感じます(笑)

笑…愛はありますが、タンゴ愛で危なく最大の失敗をしてしまいそうになったこともあります。ギリギリのところで助かりましたが。

えー、何があったんですか?

先程のタンゴとは何か?の質問の答えの中でもあった、世界平和へのアイデアという意識が私がタンゴを始めるきっかけでもあったのですが、実際にタンゴに夢中になっていると、終電で帰ることも多く、妻とはかなりのすれ違いの生活になってしまっていました。そんな時に妻から言われた言葉が、『自分の1番近くの相手と平和になれなくて世界が平和になんてなるわけがない』という言葉で、崖から落とされたような気持ちになったと同時に、それからの私のタンゴとの向き合い方が変わりました。
そして、おかげさまで今もタンゴを続けながら家庭も平和になっています^_^

今は笑って話せるのだと思いますが、そのときは大変だったんでしょうね…
でも、そこで向き合い方を変えるケニーさんは素敵ですね。トップ画像のお二人の写真もとても素敵です。

今日は、ケニーさんの思想やプライベートなエピソードまで聞けておもしろかったです。ありがとうございました。

紹介リレーのバトンを渡す方はどなたにしますか?

スタジオ タンゲーラ時代に大変お世話になったヒロキさんにお願いします!

吉田ヒロキさんですね。わかりました、依頼してみます。
どうもありがとうございました。


ケニーさんの情報

NPO法人 日本タンゴセラピー協会

facebook – NPO法人 日本タンゴセラピー協会

【#008】KaQさん

FJTA会員紹介リレー、第8回の紹介は KaQ(カク)さんです。
それではよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

早速、質問させていただきます。
タンゴ歴は何年ですか?

Studio TANGUERAにスタッフとして参加するようになった2015年から本格的に始めたので、現在で6年目になります。

タンゴを始めたきっかけは何ですか?

2006年に『ラテンダンスカーニバル』という舞台があって、タンゴ、サンバ、サルサ、フォルクローレのショーをするカンパニーが来日していたんですが、その舞台のチケットをうちの奥さんが取ってくれていたんです。というのもその頃ディズニーランドのラテンショーに出演させて頂いてまだ日が浅くて、役に立つと思って取ってくれたみたいで。

そのカンパニーリーダーがジュニオール・セルビラ、とにかくそのアクロバティックなショーに魅了されて公演終了後にDVDを購入して繰り返し見てました。それがタンゴとの一番最初の出会い。

なるほど、もともとダンサーで、ラテンダンスというカテゴリから繋がっていったのですね。

その後名曲『リベルタンゴ』でJazzを踊ったりしていましたが、一番大きなキッカケは2014年の『ブエノスアイレス午前零時』の舞台に出演させていただいたことですね。
それまで JIL Entertainment Gallery というラテンダンスのカンパニーに所属してショー的なサルサを学んでいたのですが、カンパニーに舞台出演の依頼が来たんです。

それでサルサではなくて“タンゴ”を学ぶことに。
実はこのときの振付補でタンゴリトゥモのShuhei先生も参加しています。
『ブエノスアイレス午前零時』は森田剛さん主演、行定勲演出の舞台で、“タンゴ”と括ったのは、この舞台の中でアルゼンチンタンゴもコンチネンタルタンゴも踊ることになったからです(笑)
メソッドが真逆過ぎて大変でした。

この経験で“アルゼンチンタンゴ”をもっと知りたい、と強く思うようになりました。

大きなキッカケが『ブエノスアイレス午前零時』の出演とはすごいですね! 小説は読みました。アルゼンチンタンゴを踊るシーンはおそらく舞台独自の演出ですね。

現在、タンゴについてどのような活動をされていますか?

毎月第三月曜日の午後に築地のスタジオでミロンガを開催しています。
タンゴ専門ではないですが、スタジオを森下と築地の2箇所で運営しています。メインはキッズダンスですが、ダンスやってるキッズが少しずつペアダンスに興味を持つように環境を作っていこうと思っています。
2018年に若手タンゴダンサーの皆様に参加してもらって『Tango el Viento』という舞台を作りました。
またそういったものも制作したいですね。

ミロンガ、スタジオ運営、舞台制作とアクティブに活動されているわけですね。若い世代がタンゴに触れる場を作るのはとても大切なことだと思います。

タンゴにおける得意分野は何ですか?

エセナリオや、タンゴに他のテイストをミックスするような場合に最も輝くと思います。
タンゴの経験もまだ浅く、パレハと一緒に活動するような期間・経験もまだ多くないので、サロンタンゴはまだまだわからないことばかり、勉強中です。

なるほど、多様なダンス経験ならではですね。

話題を少し変えて、好きなオルケスタを教えてください。難しいと思いますが、3つまででお願いします。

Osvaldo Fresedo
Francisco Canaro
Aníbal Troilo

これまでの流れから新しいオルケスタかなぁなんて思っていましたが、意外と伝統的なタンゴも好きなんですね。

好きなタンゴの曲を教えてください。

『リベルタンゴ Libertango』
『想いの届く日に El Dia Que Me Quieras』
『Nada』

踊るタンゴも聴くタンゴもどちらもいいですよね。

尊敬するタンゴダンサーを教えてください。

ダンサーとして強烈な印象を残してくれたジュニオール・セルビラ
タンゴを教えてくれたGYU、佐藤利幸

おー、ダンサーとして強烈な印象を残すというのはかっこいいですね。

KaQさんにとってタンゴの魅力は何ですか?

いろいろなダンスジャンルを踊ってきているので比較対象するクセがついています。
ダンスとしてのタンゴの魅力は自分らしさを崩さずに踊れること、相手とのコミュニケーションが密で豊かなことです。
リード・フォローが通じ合う、それだけがこんなに楽しいだなんて!といつも思います。

うーん、確かに!
自分らしさを崩さずに相手とコミュニケーションが取れて通じ合えて楽しいって、現代において最強じゃないですか(笑)

それだけではなくて、タンゴのコミュニティとしての豊かさや、文化として継承されてきた蓄積が、特に日本のアルゼンチンタンゴの大きな魅力です。
HipHopやJazzのダンスを踊ろうと思ったら基本的にはダンススタジオに行って、レッスンを受けて振付をみんなで踊る、というのがほとんどです。
これはこれで悪くないのですが、『遊びで踊る』にはちょっとしっかりし過ぎています。
Jazzは元々シアターで踊るためのもので遊びで踊るものではないし、HipHopにはクラブがありますが、オールはしたくないしダンスをするよりもクラブ遊びをする場所というほうがメインだと思います。
日本人の生活スタイルも気ままに行って気ままに踊る、というのはまだまだ難しいところです。
もっと子どもたちが鬼ごっこするみたいにダンスができたらいいのに、って思っています。

ところがタンゴ界ではある程度慣れて踊れるようになるとみんなミロンガに繰り出して、遊ぶように踊っていますよね。
初めて、Studio TANGUERAの夜のミロンガでそれを目の当たりにしたときは本当に衝撃でした。

なるほどー、客観的でおもしろい視点ですね。
あと、遊ぶように踊るっていい言葉ですね!

今はYouTubeもTikTokもあってダンスがかつてないほど身近になってダンスをやっている子供も多いですが、そういった子どもたちよりもタンゴ界のミロンゲーロ・ミロンゲーラたちはダンス的には遊び上手に見えます。
また日本にタンゴが入ってくるようになってからの日本のタンゴ愛好家たちが築いてきた歴史は、タンゴを知れば知るほどビックリします。
音楽を兼ねた歴史で言うとJazzで同じくらい、HipHopは1980sからですからタンゴの歴史は深くて長いですね。

タンゴが長い諸先輩方にとってはいずれも当たり前のことになっていますが、自分にとっては『100年以上の歴史があること』も含めてまだまだ新鮮なことばかりの世界ですね。

そうですね、日本にはタンゴの歴史や名曲事典などの書籍もあるし、イベント、コミュニティも数多くある、それはタンゴ愛好家たちが積み重ねてきてくれたおかげなんですよね。

KaQさんにとってタンゴとは何ですか?

ダンスをずっと続けていきたい、という人生の目標の中の、そのうちの一つです。
出会えてよかったな~と思っています。

出会えてよかったと思えるものがあるのは幸せなことかもしれませんね。

タンゴを踊る上で大切だと思うことは何ですか?

相手へのリスペクト

間違いないです(笑)

タンゴを踊っていて良かったなと思うことは何ですか?

たくさんの人に出会えていること。
ミロンガにスタッフとして参加していたときにたくさんの方々に出会って踊っていただいて、それだけでもダンスのとても良い経験になっています。
また同年代のダンサー仲間に出会えたこと。
お互いのミロンガに遊びに行ったり、会えば一緒に踊ったりするので、ずっと繋がっていられる感じもありますね。
あとは現在高校生の息子がタンゴの振付を一時期踊ってくれていて、タンゴを通していろんなことを身につけてくれたのも嬉しいことでした。

高校生の息子さんがいらっしゃるのですね!高校生にしてすでに親孝行。
同年代のダンサー仲間、楽しそうですね。
KaQさんのダンスは、仲間と楽しくというイメージがありますね。トップ画像からもそんな印象を受けます。

2021年の7月4日にスタジオ発表会があって、そこでHipHopの曲でタンゴを踊るナンバーを出しました。うちのスタジオの生徒と、講師にも2名参加してもらって、スペシャルゲストに浅井みどり先生に来ていただいて。
半分のメンバーはタンゴに触れるのは全く初めてだったんですが、みんなとても楽しそうにリハしていましたね。
トップ画像はそのときの写真です。
自分の仕事は『ダンスの楽しさ』を教えることだと思っているので、ソロでのダンスができる子たちに組んで踊るのも楽しいよ♪ってことをこれからも伝えていきたいですね。

素敵ですね!
楽しそうにリハをしていたと聞いて、なんだか私もうれしくなりました。

今日は、KaQさんの視点や仕事観などたくさん聞くことができておもしろかったです。ありがとうございました。
紹介リレーのバトンを渡す方はどなたにしますか?

師匠GYU先生の元で兄弟子だったケニーさんにバトンを渡したいと思います。

わかりました。依頼してみます。
どうもありがとうございました。


KaQさんの情報

Studio ENTRADA

【#007】Tokiさん

FJTA会員紹介リレー、第7回の紹介は Tokiさんです。
それではよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

早速、質問させていただきます。
タンゴ歴は何年ですか?

だいたい15年くらいです。

タンゴを始めたきっかけは何ですか?

タンゴを始める前は、ジャズダンス・クラシックバレエ・タップダンスなどを中心に、ダンサーとして舞台に出演していました。
そんな中、ペアダンスの先生と知り合ったことで、社交ダンスに触れ、スタジオのお手伝いをさせていただくことになったのです。
ちなみに、この先生とは、この会員紹介リレーに既にご登場のヨシ矢野先生です。
アルゼンチンタンゴのクラスで男性が少なかった時があり、お手伝いした事がタンゴとの出会いでした。

なるほど、もともとダンサーで、ヨシ矢野さんのスタジオでタンゴを始められたのですね。

現在、タンゴについてどのような活動をされていますか?

現在は、レッスンを中心に活動しています。
レッスンを通して、多くの人にタンゴの魅力を伝え、正しい技術を教えたいと思っています。
タンゴを始める機会を多く作ることが大切だと思い、都内の様々なスタジオでレッスンを開講しています。

何かを習い始めるのに選択肢があるのはよいことですよね。

タンゴにおける得意分野は何ですか? 

タンゴの技術をわかりやすく説明することです。
タンゴは即興で自由に踊ることが魅力の一つですが、その基盤となるのは確かな技術だと思っています。
かっこよく、美しく踊ってタンゴを楽しむためには、基本的な技術を正しく身につけることが大切ですので、基礎から丁寧に指導することを心掛けています。
お蔭様で、タンゴ経験のある方からも、とてもわかりやすいとの感想をいただいています。

基礎から丁寧に教えてもらえるのはいいですね。
基礎なしで自由に踊ると相手が困りますよね(苦笑)

話題を少し変えて、好きなオルケスタを教えてください。

Juan D’Arienzo
Edgardo Donato
Tango Bardo

王道も新しいオルケスタも違った良さがありますよね。

好きなタンゴの曲を教えてください。

El Puntazo
Derecho Viejo
El Adios

『El Puntazo』はかかった瞬間にテンションが上がります。上がりすぎは踊りに良くないと思いますが(笑)

難しい質問だと思いますが、尊敬するタンゴダンサーを教えてください。

尊敬するダンサーは数えきれない程たくさんいますが、その中でも挙げるとすれば、Fernando Gracia と Sebastian Achaval です。

どちらも活躍中の素晴らしいダンサーですよね。

Tokiさんにとってタンゴの魅力は何ですか?

言葉なしで、二人で一つのものを創り上げていくことでしょうか。
一人では創ることができないもの、二人だからこそ生み出せるもの、ということが魅力だと思います。
また、即興で踊る時には、そこで創り出されるものは二人だけで共有されるものですから、その瞬間瞬間をより特別なものに思えることも、タンゴの魅力ではないでしょうか。

深いですね。たしかに言葉なしで共有されている何かがありますね…
その何かによって、ワクワクしたり楽しいと感じたりするのかもしれませんね。感じ方は人それぞれだと思いますが。

Tokiさんにとってタンゴとは何ですか?

自分を成長させてくれるものだと思っています。
技術や表現の面ではもちろん、追及してもしきれない深さを感じていますし、他の先生方やダンサー、たくさんの生徒さんと出会えたことからは、タンゴのことだけでなく、人生を豊かにするための多くの大切なことを教わっています。まだまだ成長していきたいです。

うーん、とても大事なことだと思います。年齢関係なく成長していきたいですよね。

タンゴを踊る上で大切だと思うことは何ですか? 

一緒に踊る相手を思い遣ることです。男性の立場では、女性に心地よい、楽しいと思ってもらうよう踊ることです。

思いやり、大切ですね。
心地よい、楽しいというのもキーワードだと思います。

タンゴを踊っていて良かったなと思うことは何ですか?

多くの人と出会えたことです。これからも、一人一人との出会いを大切にしていきたいです。
私自身も、出会えてよかったと思ってもらえるようなダンサー・講師になることが目標です。

やはりタンゴは人との出会い、関わりですね。

今日は、淡々としながらも芯のあるTokiさんのタンゴ観を聞くことができておもしろかったです。ありがとうございました。

紹介リレーのバトンを渡す方はどなたにしますか?

3年前に舞台で共演して、仲良くしているKaQ先生にお願いします!

わかりました。依頼してみます。
本日はありがとうございました。


Tokiさんの情報

facebook

JOE TANGO

Sudo Dance Creation

Studio Ritmo

【#006】小口高志さん

FJTA会員紹介リレー、第6回の紹介は 小口高志さんです。
高志さんは、2019年タンゴダンスアジア選手権 ステージ部門のチャンピオンでもあります。
それではよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

早速、質問させていただきます。
タンゴ歴は何年ですか?

15年です。

タンゴを始めたきっかけは何ですか?

会社勤めをしていましたが、一度しかない人生、やりたいことをやろうと決め、退職して銀座の小林太平&江口祐子先生のスタジオに入門しました。

幼少期にどこかで見たアルゼンチンタンゴの映像の記憶が自分の中に残っていて、その踊りを極めたいという思いが強くなり、この道を選びました。

おー、小林太平&江口祐子さんのところで始められたのですね。
会社を辞めてタンゴの道に進むのはけっこう勇気のいることでしょうね。

現在、タンゴについてどのような活動をされていますか?

普段は自分のスタジオ『El Recodo』でレッスンをしています。
それからショー、デモ、コンサートへの出演、年に一回発表会の主催をしています。

スタジオ運営、イベント出演、主催とアクティブに活動されているわけですね。

タンゴにおける得意分野は何ですか? 

得意分野ではないかもしれませんが、細かな足技が好きです。

細かな足技、いいですよね。
魅力的な動きもあれば、神業のような動きもありますよね。

話題を少し変えて、好きなオルケスタを教えてください。

Osvaldo Pugliese 楽団
Carlos Di Sarli 楽団
Juan D’Arienzo 楽団

好きなタンゴの曲を教えてください。

Gallo Ciego – Osvaldo Pugliese
Don Agustin Bardi – Osvaldo Pugliese
El Recodo – Tango×2

うーん、高志さんの好みが少しわかるような気がします。
『El Recodo』は高志さんのスタジオの名前にもなっていますね。

好きなワルツの曲を教えてください。

El Viejo Vals – Enrique Campos & Floreal Ruiz & Orquesta Francisco Rotundo
Paisaje – Pedro Laurenz
Desde El Alma – Osvaldo Pugliese

この流れで Pedro Laurenz の『Paisaje』が入ってくるのが私的には素敵だと思います。

好きなミロンガの曲を教えてください。

Silueta Porteña – Hector Varela
Campo Afuera – Edgardo Donato
Reliquias Porteñas – Francisco Canaro

難しい質問だと思いますが、尊敬するタンゴダンサーを教えてください。

尊敬するダンサーは沢山いますが、敢えて一人挙げるとしたら ミゲル・アンヘル・ソット です。
タンゴを習い始めた頃、先生から借りたビデオでミゲルの踊りを観て感動しました。
会社から帰ってきてから、何回も何回もリピートして観ていました。夢を与えてくれたダンサーです。

なるほどー。タンゴダンスの歴史に名を残すことは言うまでもないですし、あの足技は神業ですよね。
高志さんの「細かな足技が好き」ともつながりますね。

高志さんにとってタンゴの魅力は何ですか?

タンゴのステップやアドルノそのものに魅力を感じます。
抱擁したまま踊るので、自由が足(脚)に限定されます。だからこそ美しい踊りだと感じます。

深いですね。片方を制限しているからこそ、もう片方の自由が生きてくるという逆説的なあれですね。
話は少しそれますが、ショーイベントなどでダンサーの足が見えにくい位置からショーを見ると、上手いダンサーほど上半身が静かなので、足がどう動いているのかまったくわからず、残念な時間になってしまうという経験が何度かあります(笑)

それはタンゴあるあるですね(笑)

抽象的な質問ですが、高志さんにとってタンゴとは何ですか?

人生の教師です。

たしかにタンゴを通して学ぶことは多いですよね。
タンゴを踊る上で大切だと思うことは何ですか? 

生きる上で大切な事と同じだと思います。そこにとても深い繋がりを感じます。

なるほどー、とても端的な言葉ですが、核心を突いている気がします。
よいタンゴを踊るためにすべきことがわかる気がします。

タンゴを踊っていて良かったなと思うことは何ですか?

沢山の素晴らしい人達に出会えたことです。
僕の人生は想像していた以上に豊かなものになっています(笑)
出会えた皆さんに感謝しています。

高志さんの言葉には謙虚さがありますね。
人への感謝の気持ちは大事ですよね。

今日は、高志さんのタンゴの美しさへのこだわりが垣間見えておもしろかったです。ありがとうございました。
紹介リレーのバトンを渡す方はどなたにしますか?

仕事だけでなく、普段から仲良くしているToki先生にバトンを渡したいと思います。

わかりました。依頼してみます。
本日はありがとうございました。


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