【#008】KaQさん

FJTA会員紹介リレー、第8回の紹介は KaQ(カク)さんです。
それではよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

早速、質問させていただきます。
タンゴ歴は何年ですか?

Studio TANGUERAにスタッフとして参加するようになった2015年から本格的に始めたので、現在で6年目になります。

タンゴを始めたきっかけは何ですか?

2006年に『ラテンダンスカーニバル』という舞台があって、タンゴ、サンバ、サルサ、フォルクローレのショーをするカンパニーが来日していたんですが、その舞台のチケットをうちの奥さんが取ってくれていたんです。というのもその頃ディズニーランドのラテンショーに出演させて頂いてまだ日が浅くて、役に立つと思って取ってくれたみたいで。

そのカンパニーリーダーがジュニオール・セルビラ、とにかくそのアクロバティックなショーに魅了されて公演終了後にDVDを購入して繰り返し見てました。それがタンゴとの一番最初の出会い。

なるほど、もともとダンサーで、ラテンダンスというカテゴリから繋がっていったのですね。

その後名曲『リベルタンゴ』でJazzを踊ったりしていましたが、一番大きなキッカケは2014年の『ブエノスアイレス午前零時』の舞台に出演させていただいたことですね。
それまで JIL Entertainment Gallery というラテンダンスのカンパニーに所属してショー的なサルサを学んでいたのですが、カンパニーに舞台出演の依頼が来たんです。

それでサルサではなくて“タンゴ”を学ぶことに。
実はこのときの振付補でタンゴリトゥモのShuhei先生も参加しています。
『ブエノスアイレス午前零時』は森田剛さん主演、行定勲演出の舞台で、“タンゴ”と括ったのは、この舞台の中でアルゼンチンタンゴもコンチネンタルタンゴも踊ることになったからです(笑)
メソッドが真逆過ぎて大変でした。

この経験で“アルゼンチンタンゴ”をもっと知りたい、と強く思うようになりました。

大きなキッカケが『ブエノスアイレス午前零時』の出演とはすごいですね! 小説は読みました。アルゼンチンタンゴを踊るシーンはおそらく舞台独自の演出ですね。

現在、タンゴについてどのような活動をされていますか?

毎月第三月曜日の午後に築地のスタジオでミロンガを開催しています。
タンゴ専門ではないですが、スタジオを森下と築地の2箇所で運営しています。メインはキッズダンスですが、ダンスやってるキッズが少しずつペアダンスに興味を持つように環境を作っていこうと思っています。
2018年に若手タンゴダンサーの皆様に参加してもらって『Tango el Viento』という舞台を作りました。
またそういったものも制作したいですね。

ミロンガ、スタジオ運営、舞台制作とアクティブに活動されているわけですね。若い世代がタンゴに触れる場を作るのはとても大切なことだと思います。

タンゴにおける得意分野は何ですか?

エセナリオや、タンゴに他のテイストをミックスするような場合に最も輝くと思います。
タンゴの経験もまだ浅く、パレハと一緒に活動するような期間・経験もまだ多くないので、サロンタンゴはまだまだわからないことばかり、勉強中です。

なるほど、多様なダンス経験ならではですね。

話題を少し変えて、好きなオルケスタを教えてください。難しいと思いますが、3つまででお願いします。

Osvaldo Fresedo
Francisco Canaro
Aníbal Troilo

これまでの流れから新しいオルケスタかなぁなんて思っていましたが、意外と伝統的なタンゴも好きなんですね。

好きなタンゴの曲を教えてください。

『リベルタンゴ Libertango』
『想いの届く日に El Dia Que Me Quieras』
『Nada』

踊るタンゴも聴くタンゴもどちらもいいですよね。

尊敬するタンゴダンサーを教えてください。

ダンサーとして強烈な印象を残してくれたジュニオール・セルビラ
タンゴを教えてくれたGYU、佐藤利幸

おー、ダンサーとして強烈な印象を残すというのはかっこいいですね。

KaQさんにとってタンゴの魅力は何ですか?

いろいろなダンスジャンルを踊ってきているので比較対象するクセがついています。
ダンスとしてのタンゴの魅力は自分らしさを崩さずに踊れること、相手とのコミュニケーションが密で豊かなことです。
リード・フォローが通じ合う、それだけがこんなに楽しいだなんて!といつも思います。

うーん、確かに!
自分らしさを崩さずに相手とコミュニケーションが取れて通じ合えて楽しいって、現代において最強じゃないですか(笑)

それだけではなくて、タンゴのコミュニティとしての豊かさや、文化として継承されてきた蓄積が、特に日本のアルゼンチンタンゴの大きな魅力です。
HipHopやJazzのダンスを踊ろうと思ったら基本的にはダンススタジオに行って、レッスンを受けて振付をみんなで踊る、というのがほとんどです。
これはこれで悪くないのですが、『遊びで踊る』にはちょっとしっかりし過ぎています。
Jazzは元々シアターで踊るためのもので遊びで踊るものではないし、HipHopにはクラブがありますが、オールはしたくないしダンスをするよりもクラブ遊びをする場所というほうがメインだと思います。
日本人の生活スタイルも気ままに行って気ままに踊る、というのはまだまだ難しいところです。
もっと子どもたちが鬼ごっこするみたいにダンスができたらいいのに、って思っています。

ところがタンゴ界ではある程度慣れて踊れるようになるとみんなミロンガに繰り出して、遊ぶように踊っていますよね。
初めて、Studio TANGUERAの夜のミロンガでそれを目の当たりにしたときは本当に衝撃でした。

なるほどー、客観的でおもしろい視点ですね。
あと、遊ぶように踊るっていい言葉ですね!

今はYouTubeもTikTokもあってダンスがかつてないほど身近になってダンスをやっている子供も多いですが、そういった子どもたちよりもタンゴ界のミロンゲーロ・ミロンゲーラたちはダンス的には遊び上手に見えます。
また日本にタンゴが入ってくるようになってからの日本のタンゴ愛好家たちが築いてきた歴史は、タンゴを知れば知るほどビックリします。
音楽を兼ねた歴史で言うとJazzで同じくらい、HipHopは1980sからですからタンゴの歴史は深くて長いですね。

タンゴが長い諸先輩方にとってはいずれも当たり前のことになっていますが、自分にとっては『100年以上の歴史があること』も含めてまだまだ新鮮なことばかりの世界ですね。

そうですね、日本にはタンゴの歴史や名曲事典などの書籍もあるし、イベント、コミュニティも数多くある、それはタンゴ愛好家たちが積み重ねてきてくれたおかげなんですよね。

KaQさんにとってタンゴとは何ですか?

ダンスをずっと続けていきたい、という人生の目標の中の、そのうちの一つです。
出会えてよかったな~と思っています。

出会えてよかったと思えるものがあるのは幸せなことかもしれませんね。

タンゴを踊る上で大切だと思うことは何ですか?

相手へのリスペクト

間違いないです(笑)

タンゴを踊っていて良かったなと思うことは何ですか?

たくさんの人に出会えていること。
ミロンガにスタッフとして参加していたときにたくさんの方々に出会って踊っていただいて、それだけでもダンスのとても良い経験になっています。
また同年代のダンサー仲間に出会えたこと。
お互いのミロンガに遊びに行ったり、会えば一緒に踊ったりするので、ずっと繋がっていられる感じもありますね。
あとは現在高校生の息子がタンゴの振付を一時期踊ってくれていて、タンゴを通していろんなことを身につけてくれたのも嬉しいことでした。

高校生の息子さんがいらっしゃるのですね!高校生にしてすでに親孝行。
同年代のダンサー仲間、楽しそうですね。
KaQさんのダンスは、仲間と楽しくというイメージがありますね。トップ画像からもそんな印象を受けます。

2021年の7月4日にスタジオ発表会があって、そこでHipHopの曲でタンゴを踊るナンバーを出しました。うちのスタジオの生徒と、講師にも2名参加してもらって、スペシャルゲストに浅井みどり先生に来ていただいて。
半分のメンバーはタンゴに触れるのは全く初めてだったんですが、みんなとても楽しそうにリハしていましたね。
トップ画像はそのときの写真です。
自分の仕事は『ダンスの楽しさ』を教えることだと思っているので、ソロでのダンスができる子たちに組んで踊るのも楽しいよ♪ってことをこれからも伝えていきたいですね。

素敵ですね!
楽しそうにリハをしていたと聞いて、なんだか私もうれしくなりました。

今日は、KaQさんの視点や仕事観などたくさん聞くことができておもしろかったです。ありがとうございました。
紹介リレーのバトンを渡す方はどなたにしますか?

師匠GYU先生の元で兄弟子だったケニーさんにバトンを渡したいと思います。

わかりました。依頼してみます。
どうもありがとうございました。


KaQさんの情報

Studio ENTRADA

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